フルハンドメイドオーダーとは
「オーダーメイド」と一言で言っても、探してみると世の中には色々な種類のオーダーがあることにお気づきかと思います。
歴史を遡れば産業革命以前はすべての洋服がオーダーメイド&ハンドメイド。近代化するにつれて衣服は効率的な大量生産品となり、そのうえで平均的な体型に合わせて作った既製服(プレタポルテ)や、体型を問わないTシャツやスウェットといったカジュアルウェアが登場してきました。
「イージーオーダー」や「パターンオーダー」と呼ばれる服は、いわばスーツやジャケットが近代化する過程の中で「既製服(プレタポルテ)」と「フルオーダー」の間に作られたもの。平均的な体型で癖がない方には十分な仕組み、十分な仕上がりといえます。
一方、Syuhari(シュハリ)がお創りするのは「フルオーダー:全てお客様の好みに合わせる」かつ「フルハンドメイド:すべての工程を手仕事で行う」。
特殊体型の方はもちろん、ご自身の生き方や身にまとうお洋服に並々ならぬこだわりや理想を持つお客様に選ばれる工房です。ご相談からお仕立てまでの全ての工程をSyuhari内で行うため、わたくしどもは「フルハンドメイドオーダー」と呼んでおります。
今の時代、フルオーダーのテーラーでも縫製は縫製専門工場に発注しているのが一般的。このように一つの工房で最初から最後までお創りするのは大変珍しく、時には大変非効率的な部分もありますが、わたくしどもはお客様が手仕事が生み出す風合いに感動される瞬間が忘れられず、「フルハンドメイドオーダー」にこだわり続けます。
種類 | パターンオーダー | イージーオーダー | フルオーダー |
他の名称 | ・サイズオーダー ・パターンメイド ・パーソナルオーダー |
・イージーメイド ・セミビスポーク ・メジャーメイド |
・ビスポーク ・カスタムメイド |
概略 | 基本となる形やデザインのサンプル(ゲージ服)があり、それを試着することにより上着は着丈や袖丈、パンツは丈やウエストなどの部分の調整を行う。自由度が低い。 | パターンオーダーと同じようにゲージ服を試着し、体型に合わせた細かな体型補正を行う。お店によって型紙補正や特殊なデザインにも対応。 | お客様の好みに応じて型紙を起こすため、あらゆるサイズやデザイン、ディテールに対応している。自由度が高い。 |
見え方 | 特殊体形で無ければ、体形に合った仕立てをしているという印象を受ける。 | 特殊体形で無ければ、体形に合った仕立てをしているという印象を受ける。 カスタム(オプション)により、お洒落な人だという印象を受ける |
分かる人にはすぐ分かる。お客様らしさが表現されると同時に、職人による手仕事が生み出す特別な風合いから「仕立ての良い服を着ている」という印象を受ける |
メリット | 低価格からのオーダーが楽しめ、ゲージ服を着ることで仕上がりに近くイメージが湧きやすい。 | 体型補正が可能なため体型や・癖などによる悩みを解決できる。 | 体型補正やデザインの自由度が高く、テーラーと相談することにより理想の一着が出来上がる。完成前に「仮縫い」があるためイメージと異なる部分の修正を行える。 |
デメリット | 細かな体型補正ができないため、特殊体型の人はサイズ感が合わない。例えば肩幅のサイズは対応していても「いかり肩」や「撫で肩」、首の太さなど対応していない場合が多い。 | 体型補正はできるものの、お店や工場が持つ基準によってデザインの限度がある。 | 他のオーダーと比較し予算や時間が掛かる。 |
余談ではございますが、スーツやファッション関連の書籍によりますと全身のファッションのバランスは年収から計算すると、
普段使いのスーツは年収の1%~2%前後
特別な日のスーツやジャケット、コートは3%~4%前後
シャツ、ネクタイは0.1~0.2%前後
靴、鞄、財布などの革小物は0.5~1%前後
腕時計は10%前後
が目安だと言われています。
例えば年収が750万~1500万の場合、普段使いのスーツは15万円、特別な日のスーツやジャケット、コートは30万円、シャツは1.5~3万円、革靴は7.5~15万、腕時計は150万というのはトータルファッションとしてバランスが取れています。
種類 | パターンオーダー | イージーオーダー | フルオーダー |
変更する部分 | 袖丈 着丈 ウェスト 丈 など |
袖丈、袖回り 肩幅、着丈 ウェスト 丈 など |
体全体のサイズ 全体のデザイン ポケットの位置やボタンの数などのディテール |
体型補正 | × | △ 体型により制限あり |
○ 体形に合わせた細かな調整が可能 |
型紙 | × | △ 体型により制限あり |
○ お客様専用の型紙を0から創る |
クセ取り | × | × | ○ 身体の曲線に合わせてアイロンワークを行うことにより、肩こりや疲れ等を軽減する。 |
仮縫い | なし | 基本的になし | あり |
フィット感 | △ | ○ | ◎ |
生地選び | 国産、外国産生地 | 国産、ヨーロッパ製生地 | 高級国産生地 高級ヨーロッパ製生地 持ち込みにも対応 |
生地の価格帯 | – | ~5万 | 7万円~ |
縫製 | 海外工場(中国やベトナム等)でのマシンメイド | マシンメイドとハンドメイドの併用 | 手縫いによるハンドメイド |
仕立ての価格帯 (スーツ上下一着) |
3千円~1万2千円 | オプション無で1万2千円~4万円 *ハンドメイドに近づけると手穴、ハンドステッチ等の加工で5万~ |
12万円~ *仮縫いの回数やオーダーの繊細さによる。 |
ちなみにここまで読んで既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ドラマや映画における登場人物の衣装設定も大方この基準で決められているそうです。
話題になった銀行系や医療系のドラマを見ると確かに、と思うシーンが多々ありますね。
あくまでファッション関連の書籍に書かれていることですので参考程度の情報になりますが、「思考は現実化する(ナポレオン・ヒル著)」という書籍があるように、わたくしどもは「いつかこの年収になりたい」という決意をこめて誂えるのもよいと考えております。